読み方：タイアツブンサン

English：pressure-reduction

学会ポスター使用頻度：C

「体圧分散」（タイアツブンサン、PressureRedistribution）は、特定の部位にかかる圧力を軽減し、褥瘡（じょくそう、床ずれとも呼ばれる）の発症を防ぐための医療的なアプローチです。
褥瘡は皮膚や組織が圧迫によって損傷し、壊死することによって発生します。
32mmHg（ミリメートル水銀柱）以上の圧力が持続的にかかると、血行不良が引き起こり、周辺組織が損傷します。

体圧分散の目的は、患者が長時間同じ姿勢にとどまる場合に、圧力の均等な分散を促すことです。
これにより、特定の部位に過度な圧力がかからず、皮膚と組織の血液供給が維持され、褥瘡の発症を予防します。
体圧分散の方法には以下のようなものがあります：

1.**体位変換**:
患者の体位を定期的に変えることで、同じ部位に圧力がかからないようにします。
これにより、特定の部位への長時間の圧力が軽減されます。

2.**特殊なマットレスやクッション**:
エアマットレス、圧力分散クッション、ジェルパッドなどの体圧分散用具を使用します。
これらの製品は、圧力を均等に分散し、褥瘡の発症を防ぎます。

3.**個別の評価**:
患者ごとに体圧分散のニーズが異なるため、個別の評価を行い、最適な体圧分散戦略を選択します。
患者の身体状態、リスクファクター、床ずれの程度に応じて対策を調整します。

4.**皮膚ケア**:
皮膚の清潔さと保湿は、褥瘡予防の重要な要素です。
適切な皮膚ケアを行い、皮膚の健康を維持します。

体圧分散は、特に寝たきりの患者や高齢者、手術後の患者など、床に長時間横たわる必要がある人々にとって重要です。
適切な体圧分散の実施は、褥瘡の発症を予防し、患者の快適さと健康を維持するのに役立ちます。