読み方：チョクチョウチツロウ

English：rectovaginalfistula

学会ポスター使用頻度：C

直腸腟瘻（rectovaginalfistula）は、直腸と膣（腟）の間に異常な通路が形成される状態を指します。
通常、直腸と膣は体内で分離されているべきですが、直腸腟瘻が発生すると、便や腸内ガスなどの内容物が膣に漏れ出すことがあります。
この病態は女性によく見られますが、男性にも稀に発生することがあります。
以下に、直腸腟瘻に関する詳細な説明を提供します。

直腸腟瘻の主な特徴:

1.異常な通路:
-直腸腟瘻は、直腸と膣の間に通路ができる病態です。
この通路により、通常は分離されているべき内部器官の内容物が混ざることがあります。

2.症状:
-直腸腟瘻の主な症状には、以下のようなものが含まれます。
-膣から便や腸内ガスが漏れる
-腟内から異臭がする
-腟内で慢性的な感染や炎症が起こることがある
-排尿や性行為時に不快な症状が現れることがある

直腸腟瘻の原因:

直腸腟瘻は、さまざまな原因によって引き起こされることがあります。
一般的な原因には以下が含まれます：
1.外科的処置:
-一過性の直腸腟瘻は、直腸や膣に外科的な処置を行った際に発生することがあります。
例えば、直腸手術や膣手術による損傷が考えられます。

2.産科的要因:
-分娩時に直腸や膣に損傷が生じ、それが後に直腸腟瘻を引き起こすことがあります。
難産や分娩時の合併症が関与することがあります。

3.疾患や炎症:
-炎症性腸疾患（クローン病など）や感染症によって、直腸や膣の組織に損傷が生じ、それが直腸腟瘻の原因になることがあります。

治療:

直腸腟瘻の治療は、通常、手術によって行われます。
手術の目的は、異常な通路を閉じ、直腸と膣を適切に分離することです。
手術方法やアプローチは症例により異なりますが、一般的に外科的な修復が行われます。

治療においては、患者の個別の症状や状態、原因などを考慮に入れて、最適な治療計画が立てられます。
手術後の回復期間には、経過観察と看護が行われ、患者が日常生活に戻る際には適切なアドバイスが提供されます。

直腸腟瘻は、患者に不快さや生活の質への影響をもたらす状態であるため、早期発見と治療が重要です。