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球麻痺

読み方:キュウマヒ

English:bulbar paralysis

学会ポスター使用頻度:C

「球麻痺」(BulbarPalsy)は、神経学的な障害の一種で、脳幹の一部である延髄(MedullaOblongata)に影響を及ぼす状態を指します。
延髄は体の基本的な生命維持機能を調節する役割を果たしており、球麻痺はその一部機能が障害された状態を示します。
球麻痺は通常、以下のような症状を伴います:
1.嚥下障害(Dysphagia):
球麻痺の主要な症状の一つで、飲食物や液体を嚥下する際に困難が生じます。
嚥下障害は食物や液体が気管に入り、誤嚥性肺炎などの合併症を引き起こす可能性があります。

2.発話障害(Dysarthria):
発声や言葉の発音に問題が生じ、言葉が不明瞭になることがあります。
声が弱く、音の出力が制御しにくくなります。

3.顔面筋の麻痺:
顔面の筋肉が麻痺することがあり、表情が乏しくなります。
また、眼瞼の筋肉も影響を受け、まぶたを閉じることが難しくなることがあります。

4.咳嗽反射の喪失:
咳嗽反射が麻痺により喪失することがあり、気管に異物や分泌物が入り込んでも適切に咳き込めなくなります。

5.声帯の麻痺:
声帯の筋肉が麻痺することがあり、声の高さや音程を制御することが難しくなります。

球麻痺は、通常は神経変性疾患(神経細胞が進行的に損傷する疾患)や脳幹の病変に関連して発生します。
一般的な原因には以下が含まれます:
-筋萎縮性側索硬化症(ALS):
ALSは中枢神経系の神経細胞が進行的に損傷する神経変性疾患で、球麻痺の症状を引き起こすことがあります。

-脳幹の損傷:
脳幹に腫瘍、出血、虚血などの病変が生じると、球麻痺が発生する可能性があります。

-特発性球麻痺:
原因が特定できない場合もあります。

球麻痺は患者の生活の質に大きな影響を及ぼすため、治療やリハビリテーションが必要です。
治療の一環として、嚥下障害や発話障害の管理、リハビリテーション療法、栄養サポート、声帯の機能向上を目指すトレーニングなどが行われます。
また、症状の進行を遅らせるための薬物療法も検討されることがあります。
治療計画は患者の状態や原因に合わせて個別に設定されます。

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