学会ポスター用語解説
> 高圧酸素療法高圧酸素療法
読み方:コウアツサンソリョウホウ
English:hyperbaric oxygen therapy
学会ポスター使用頻度:C
高圧酸素療法(HyperbaricOxygenTherapy、HBOT)は、高濃度の酸素を高気圧の環境で患者に供給する医療的な治療法です。
この治療法は、特定の医療状況や疾患の治療に使用されます。
以下に、高圧酸素療法について詳しく解説します。
高圧酸素療法の原理:
高圧酸素療法は、以下の原理に基づいています。
1.高圧環境:
患者は通常、特殊な高圧室内に入り、高圧の酸素を吸入します。
この高圧環境において、身体組織に酸素がより多く溶解し、血流を介して全身に供給されます。
2.酸素溶解度の増加:
高気圧下では、酸素の溶解度が通常よりも大幅に増加します。
これにより、血液中の酸素濃度が高まり、酸素が組織や細胞に効果的に供給されます。
3.組織修復:
高濃度かつ高圧の酸素供給により、損傷した組織や傷口の治癒が促進されるとされています。
酸素は細胞のエネルギー生産に必要であり、組織の修復を助ける役割を果たします。
高圧酸素療法の適応:
高圧酸素療法は、さまざまな医療状況や疾患の治療に使用されます。
一般的な適応には以下が含まれます:
1.炭疽感染症の治療:
炭疽感染症(炭疽菌による感染症)の治療において高圧酸素療法が有効であることが知られています。
2.ガス壊疽の治療:
ガス壊疽は、ガス産生細菌によって引き起こされる重篤なソフト組織感染症であり、高圧酸素療法が病変の制御に役立つことがあります。
3.放射線障害の治療:
放射線障害(放射線療法による副作用)の症状を軽減するために、高圧酸素療法が用いられることがあります。
4.難治性の傷口や創傷の治療:
難治性の傷口、創傷、または潰瘍の治療において、組織修復を助けるために高圧酸素療法が使用されることがあります。
5.一部の感染症の治療:
特定の感染症や細菌性疾患の治療において、高圧酸素療法が補助的に用いられることがあります。
6.その他の適応:
一部の他の疾患や状況においても高圧酸素療法が考慮されることがありますが、詳細は医師との相談が必要です。
高圧酸素療法は、専門的な設備と訓練を必要とするため、適切な症例で医師の指導の下で行われることが重要です。
治療の安全性と有効性を確保するために、医療専門家と患者との共同作業が欠かせません。
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