学会ポスター用語解説
> ケトアシドーシスケトアシドーシス
読み方:ケトアシドーシス
English:ketoacidosis
学会ポスター使用頻度:E
ケトアシドーシス(Ketoacidosis)は、身体内で異常な量のケトン体が生成され、血液中の酸性度が上昇する状態を指します。
ケトン体は、脂肪からのエネルギー供給の一部として生成される物質であり、通常は適切な制御のもとで体内に存在しますが、ケトアシドーシスが発生すると過剰に生成されます。
ケトアシドーシスは主に糖尿病患者に見られることが多く、治療を要する緊急事態です。
ケトアシドーシスの主な特徴と原因について以下に解説します:
特徴:
1.高血糖(Hyperglycemia):
ケトアシドーシスの初期症状には、非常に高い血糖値が含まれます。
これは、糖尿病患者のインスリン不足や不適切なインスリン使用に起因します。
2.酸血症(Acidosis):
ケトン体の過剰な生成により、血液中の酸性度が上昇します。
これにより、体内の酸塩基平衡が崩れ、酸血症が引き起こされます。
3.ケトン体の臭い:
ケトアシドーシスの患者は、口臭や尿臭に特有のケトン体の臭いがすることがあります。
4.消化器症状:
吐き気、嘔吐、腹痛などの消化器症状が現れることがあります。
5.意識障害:
重症のケトアシドーシスでは、意識障害や昏睡状態が発生することがあります。
原因:
ケトアシドーシスの主要な原因は糖尿病です。
以下は、糖尿病に関連するケトアシドーシスの原因です:
1.1型糖尿病(Type1Diabetes):
1型糖尿病患者は、自己免疫反応によりインスリンをほとんどまたはまったく産生できないため、インスリン注射が必要です。
インスリン不足により、細胞が十分なエネルギーを得られず、脂肪からケトン体が生成されます。
2.2型糖尿病(Type2Diabetes):
2型糖尿病患者もケトアシドーシスに陥ることがありますが、よりまれです。
通常、2型糖尿病患者はまだ一定の量のインスリンを産生しますが、効果的に使用できないため、高血糖やケトン体の生成が起こります。
3.その他の原因:
糖尿病以外の状態でも、飢餓、感染症、外傷、重度のストレス、アルコール中毒など、インスリン不足と糖代謝の異常がある場合にケトアシドーシスが発生することがあります。
ケトアシドーシスは緊急事態であり、早期の診断と治療が重要です。
治療には、インスリン療法、体液補給、電解質補正、原因の治療が含まれます。
未治療の場合、ケトアシドーシスは命にかかわる合併症を引き起こす可能性があります。
したがって、糖尿病患者は適切な自己管理と定期的な医療チェックアップを受けることが大切です。
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