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痙性歩行

読み方:ケイセイホコウ

English:spastic gait

学会ポスター使用頻度:C

痙性歩行(英:spasticgait)は、神経系の障害や神経筋疾患によって引き起こされる歩行のパターンです。
この歩行パターンは、特に下肢(足)の筋肉の痙性(筋肉の過剰な緊張や硬直)によって特徴付けられます。
以下に、痙性歩行に関する詳細を説明します:

**特徴**:

1.**筋肉の硬直**:
痙性歩行の最も特徴的な要素は、下肢の筋肉が過剰に緊張して硬直することです。
このため、足が伸展された状態で保たれ、曲げにくくなります。

2.**スクエアステップ**:
痙性歩行の人は通常、足を高く持ち上げ、ステップを進める際に足を平行に置くことがあります。
これにより、足が地面に平行に接触し、通常の歩行よりも足が高く持ち上げられたように見えます。

3.**足の重心移動**:
痙性歩行の人は、足を前に出す際に腰を大きく反らせることがよくあります。
このため、足を前に出す際に体の前傾が生じます。

4.**不自然な歩幅**:
痙性歩行者は歩幅が一定せず、歩幅が広がったり狭まったりすることがあります。

5.**速度の低下**:
痙性歩行は通常、歩行速度が遅く、効率的でないため、日常生活における歩行能力に影響を与えることがあります。

**原因**:

痙性歩行は、主に神経系の障害によって引き起こされます。
以下は一般的な原因のいくつかです:

1.**脊髄損傷**:
脊髄の損傷、特に脊髄性痙性麻痺(spasticparaplegia)と呼ばれる疾患、脊髄損傷によって生じることがあります。

2.**脳性麻痺**:
出生時や小児期に脳に損傷を受けた場合、脳性麻痺として知られる疾患が痙性歩行を引き起こすことがあります。

3.**脳卒中**:
脳卒中は脳の血液供給が中断されることで脳損傷を引き起こし、痙性歩行の原因となることがあります。

4.**神経筋疾患**:
神経筋疾患、特に筋萎縮性側索硬化症(ALS)や多発性硬化症(MS)などが、筋肉の痙性を引き起こす原因となります。

**治療**:

痙性歩行の治療は、その原因や基礎となる疾患によって異なります。
治療の目標は、筋肉の痙性を軽減し、歩行能力を向上させることです。
治療法には以下が含まれます:
1.**物理療法**:
物理療法家や作業療法家が、運動療法やストレッチ、歩行トレーニングなどを行い、筋肉の痙性を軽減し、歩行を改善するためのプログラムを提供します。

2.**薬物療法**:
痙性歩行の症状を管理するために筋弛緩剤などの薬物が使用されることがあります。

3.**手術**:
重度の症状や原因の特定できる場合、手術が必要な場合があります。

痙性歩行の治療は個別の症例に合わせて行われ、多くの場合、総合的なアプローチが必要です。
治療は患者の状態や病歴に合わせて設計され、専門家の指導のもとで行われることが重要です。

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