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灌注排便法

読み方:カンチュウハイベンホウ

English:evacuation by irrigation

学会ポスター使用頻度:B

灌注排便法(Enema)は、腸内に流体を注入し、腸内の便を軟化させ、排便を促す医療的な処置です。
これは便秘の緩和や一時的な便意不全の対処に使用されます。
以下に、灌注排便法についての詳細を解説します:

**灌注排便法の手順**:

1.**用意**:
まず、灌注排便法のために特別な器具や薬剤が必要です。
一般的に使用されるのは、灌流袋(エネマバッグ)、灌流管(エネマチューブ)、灌流液(エネマ液)です。

2.**準備**:
灌流袋に適切な温度に温めた灌流液を注入します。
灌流液としては、温水、生理食塩水、軟化剤(例:グリセリン)が一般的に使用されます。
液体の温度は体温に近い温度に保たれることが重要です。

3.**体位**:
患者は横向きまたは仰向けに寝るか、膝を胸に引き上げた腹臥位(ひれい)になります。

4.**灌流管の挿入**:
灌流管が患者の肛門に挿入され、腸内に灌流液が注入されます。
灌流管は腸内に進むようにゆっくり挿入され、適切な深さに位置が合わせられます。

5.**液体の注入**:
灌流袋のクランプをゆっくり解除し、灌流液が腸内に流れ込むようにします。
患者は液体を受け入れるように心地よい体位を維持します。

6.**排便刺激**:
灌流液が腸内に入ると、腸の収縮や刺激が起こり、便を軟化させます。
この過程で排便刺激が生じ、排便が促進されます。

7.**排便**:
一定の時間が経過した後、患者はトイレに行って排便します。
灌流液と便が排出されます。

8.**清浄化**:
灌流液と便が排出されたら、患者は通常の排便後と同様に肛門を清浄化し、清潔に保ちます。

**注意事項**:

-灌注排便法は、医師や看護師の指導のもとで行われるべきです。
不適切な使用や頻繁な使用は、腸の環境や電解質バランスに悪影響を及ぼす可能性があります。
-灌流液の温度や圧力を正確に調整することが重要です。
過度な圧力や高温の液体は患者に不快感を引き起こす可能性があります。
-灌注排便法は、便秘の緩和や慢性的な便秘の管理に使用されることがありますが、常時頼るべき方法ではありません。
生活習慣の改善や食事療法などの他の方法も検討されるべきです。

便秘や便意不全の症状が持続する場合、医療専門家と相談し、適切な治療計画を立てることが重要です。

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