学会ポスター用語解説
> 皮脂皮脂
読み方:ヒシ
English:sebum
学会ポスター使用頻度:C
皮脂(ひし、sebum)は、皮膚の一部である皮脂腺(せびせん、sebaceousgland)から分泌される脂質性の分泌物で、皮膚と髪の健康に重要な役割を果たしています。
以下に、皮脂に関する詳細な解説を提供します:
1.分泌源:
皮脂は皮脂腺と呼ばれる小さな腺から分泌されます。
これらの腺は、皮膚のほぼ全体に存在し、特に顔、頭皮、胸部、背中などに多く見られます。
皮脂腺は毛包(髪の毛が生える小さな穴)に接続されており、毛包の周りに蓄積された皮脂が皮膚表面に排出されます。
2.成分:
皮脂の主要な成分は脂肪酸、トリグリセリド、ワックスエステル、スクアレン、コレステロールなどの脂質です。
これらの成分は皮膚の保護や潤滑、水分保持に寄与します。
3.役割:
-保護:
皮脂は皮膚の表面に薄い保護膜を形成し、外部からの刺激や微生物(細菌や真菌など)から皮膚を守ります。
また、水分蒸発を防ぎ、乾燥から皮膚を守る役割も果たします。
-潤滑:
皮脂は毛髪と皮膚を滑らかにし、摩擦を軽減します。
これにより、皮膚や髪が傷つきにくくなります。
-抗菌作用:
皮脂には一定の抗菌作用があり、皮膚表面の微生物の増殖を抑制します。
-角質層の柔軟性:
皮脂は角質層(表皮の外側の層)の柔軟性を保ち、皮膚の弾力性を維持します。
4.過剰分泌と不足分泌:
皮脂の分泌量は個人差があり、一部の人は皮脂を過剰に分泌する傾向があり、これが皮膚の脂性化(オイリー)やにきびの原因となることがあります。
逆に、皮脂の不足分泌は乾燥肌やかゆみなどの皮膚トラブルを引き起こすことがあります。
5.ケア:
皮脂の適切な管理は、健康な皮膚を維持するために重要です。
過剰な皮脂の蓄積を防ぐためには、適切な洗顔と保湿が必要です。
しかし、過度な洗浄や洗顔剤の乱用は、皮脂の過度な除去を引き起こし、かえって肌を乾燥させることがあります。
皮脂ケアには個人の皮膚タイプに合った製品を選び、バランスを保つことが大切です。
要するに、皮脂は皮膚の健康維持に不可欠であり、適切なケアが必要です。
しかし、過剰な皮脂分泌や不足分泌による皮膚トラブルに注意を払い、皮膚の状態に合ったケアを行うことが大切です。
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