学会ポスター用語解説
> ヒルシュスプルング病ヒルシュスプルング病
読み方:ヒルシュスプルングビョウ
English:Hirschsprung'sdesease=intestinalaganglionosis
学会ポスター使用頻度:C
ヒルシュスプルング病(Hirschsprungdisease)は、新生児や幼児期に発症し、大腸の運動障害によって特徴づけられる稀な消化器系の疾患です。
この疾患では、大腸の一部または全部において、正常な運動を司る神経細胞が欠如しており、その結果、便が十分に腸を通過できず、腸内に滞留します。
以下に、ヒルシュスプルング病に関する詳細な解説を提供します:
1.症状:
-新生児期の便秘:
ヒルシュスプルング病の主要な症状は、新生児期から幼児期にかけての重度の便秘です。
新生児が最初の日から便を排出しないか、非常にまれに排便がある場合があります。
-腹部膨満:
便が大腸内に滞留するため、腹部が膨れ上がることがあります。
-嘔吐:
便の滞留が胃から腸に影響を与え、嘔吐の症状が現れることがあります。
-栄養吸収不良:
重度のヒルシュスプルング病の場合、栄養吸収に問題が生じることがあり、成長不良が見られることがあります。
2.原因:
-ヒルシュスプルング病の主要な原因は、大腸の一部または全部における神経細胞の欠如です。
正常な腸管の運動は、腸管内の神経細胞(アクセス要素神経叢)によって制御されますが、これらの神経細胞が発育不全や欠如しているため、運動障害が生じます。
3.診断:
-ヒルシュスプルング病は、臨床的な症状に基づいて診断されます。
便秘や腹部膨満、嘔吐などの症状がある場合、医師は検査を行い、大腸内の運動障害を確認します。
-検査には、バリウム灌流造影検査や直腸バイオプシーが含まれます。
直腸バイオプシーでは、欠如または不足している神経細胞を確認できます。
4.治療:
-ヒルシュスプルング病の唯一の治療法は、欠如した神経細胞を持つ腸管を切除する手術です。
これは通常、新生児期または幼児期に行われます。
手術によって、正常な腸管が繋がり、便が通りやすくなります。
-一部の患者は、手術後に持続的な腸管の問題や合併症を経験することがあるため、長期のフォローアップと管理が必要です。
ヒルシュスプルング病は治療が必要な疾患であり、早期の診断と手術が患者の生活の質を改善するのに役立ちます。
適切な治療プランは医師との協力に基づいて決定されるべきです。
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