学会ポスター用語解説
> 不顕性誤嚥不顕性誤嚥
読み方:フケンセイゴエン
English:silent aspiration
学会ポスター使用頻度:C
不顕性誤嚥(SilentAspiration)は、摂取物(食べ物や液体)が誤って気管に入り込むが、その際に咳や嘔吐などの明らかな症状が現れない状態を指します。
通常、喉や気管に異物が入り込んだ場合、咳を引き起こす反射が働いて異物を排除しようとしますが、不顕性誤嚥ではこの反応が働かないか、非常に弱いため、患者が気づかずに誤嚥が起きてしまいます。
不顕性誤嚥は主に以下の特徴を持ちます:
1.症状がほとんどまたは全くない:
患者は誤嚥が発生したことを自覚しません。
咳やむせ、嘔吐などの典型的な誤嚥症状がほとんど見られません。
2.潜在的な健康リスク:
不顕性誤嚥は潜在的な健康リスクを伴います。
誤嚥物質が肺に到達すると、肺炎や呼吸器感染症の原因となり、重篤な健康問題を引き起こす可能性があります。
3.高齢者や特定の医療状況でより一般的:
高齢者、認知症の患者、嚥下障害のある患者、経管栄養(胃ろうや腸ろう)を受けている患者などで不顕性誤嚥がより一般的であることがあります。
不顕性誤嚥の診断には、通常、次のような方法が使用されます:
-?嚥評価(SwallowingAssessment):
訓練を受けた専門家(言語聴覚士やリハビリテーション専門家)が、患者の嚥下機能を評価します。
これには、嚥下試験や?嚥動画撮影などの手法が含まれます。
-放射線検査:
誤嚥や誤嚥物質の進行を追跡するために、バリウムを含む特殊な飲料を使用してX線撮影が行われることがあります。
不顕性誤嚥の管理や治療は、その原因や程度によって異なります。
一般的なアプローチには以下が含まれます:
-栄養調整:
食事内容や食べ方を調整し、誤嚥のリスクを最小限に抑えます。
柔らかい食品やペースト状の食品、特殊な飲み物の使用などが考えられます。
-?嚥リハビリテーション:
訓練を受けた専門家による?嚥リハビリテーションプログラムを受けることで、嚥下機能を向上させる試みが行われます。
-薬物療法:
一部の患者には、誤嚥のリスクを軽減するために薬物が処方されることがあります。
-経管栄養:
誤嚥リスクが高く、経口摂取が困難な患者には、経管栄養が必要な場合があります。
不顕性誤嚥は潜在的に重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、早期の評価と適切なケアが重要です。
個々の患者に合わせた治療計画が立てられ、専門家の監督のもとで管理されるべきです。
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