学会ポスター用語解説
> エリスロポエチンエリスロポエチン
読み方:エリスロポエチン
English:erythropoietin〈EPO〉
学会ポスター使用頻度:C
エリスロポエチン(Erythropoietin、EPO)は、体内で生成されるホルモンの一種で、赤血球の生成を促進する主要な役割を果たしています。
EPOは体内の骨髄で赤血球の前駆体である赤色造血幹細胞を刺激し、これらの幹細胞が成熟した赤血球に変化するプロセスを促進します。
以下に、エリスロポエチンに関する詳細を解説します:
1.赤血球の役割:
赤血球は酸素を肺から全身の組織や臓器に運び、二酸化炭素を組織から肺に戻す役割を果たします。
酸素は細胞の正常な機能に不可欠であり、十分な酸素供給がないと身体に悪影響を及ぼす可能性があります。
2.エリスロポエチンの産生:
エリスロポエチンは主に腎臓の間質細胞によって産生されますが、小腸や肝臓でも少量産生されることがあります。
腎臓では、酸素供給が不足しているときにエリスロポエチンの産生が増加します。
これは低酸素状態(低酸素血症)を感知し、赤血球の生成を刺激して酸素供給を増加させる仕組みです。
3.EPO治療:
エリスロポエチンは、一部の医療状況で治療に使用されます。
例えば、腎臓疾患やがん治療において、患者が貧血(赤血球不足)になるリスクが高い場合、EPOの補充療法が行われることがあります。
これにより、赤血球生成が促進され、貧血の症状を緩和することができます。
4.ドーピングと禁止薬物:
エリスロポエチンは、運動選手や競技者にとってドーピングとして不正使用されることがあります。
EPOの使用により、酸素供給が増加し、持久力が向上するため、スポーツにおいて不正な利益を得ることができるとされています。
多くのスポーツ団体ではEPOの使用を禁止し、ドーピング検査で検出されると厳しい罰則が課されます。
エリスロポエチンは、体内で赤血球の生成と酸素供給を調整する重要なホルモンであり、正常な身体機能に不可欠です。
そのため、EPOの異常な増加または減少は、健康問題を引き起こす可能性があります。
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