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ABG

読み方:エービージー

English:arterial blood gas

学会ポスター使用頻度:D

ABG(ArterialBloodGas)は、動脈血液ガスとも呼ばれ、動脈から採取された血液サンプルのガス組成を測定するための臨床検査です。
ABGの結果は、患者の呼吸機能、酸塩基バランス、酸素供給、二酸化炭素排出などの生理学的な情報を提供し、臨床診断や治療のガイドに役立ちます。
以下に、ABGについて詳細に解説します。

**ABGの主な測定項目**:

1.**動脈血中の酸素分圧(PaO2)**:
PaO2は、血液中の酸素の濃度を示す指標で、肺の酸素交換の効率を評価します。
低いPaO2は低酸素血症を示し、酸素供給不足を示唆することがあります。

2.**動脈血中の二酸化炭素分圧(PaCO2)**:
PaCO2は、血液中の二酸化炭素(CO2)の濃度を示す指標で、肺の通気効率を評価します。
高いPaCO2は高二酸化炭素血症を示し、通気不足を示唆することがあります。

3.**pH値**:
血液の酸塩基バランスを示す指標で、正常な動脈血pHは約7.35から7.45です。
pHが7.35未満の場合は酸性血症、7.45を超える場合はアルカリ性血症と考えられます。

4.**炭酸水素イオン濃度(HCO3-)**:
血液中の炭酸水素イオン濃度は、代謝性酸塩基バランスを評価するのに役立ちます。
低いHCO3-は代謝性アシドーシスを示し、高いHCO3-は代謝性アルカローシスを示唆することがあります。

5.**酸塩基過剰(BE)**:
酸塩基過剰は、酸塩基バランスを示す別の指標で、HCO3-とpCO2の理論的な値から計算されます。
BEの値が正であればアルカローシス、負であればアシドーシスを示します。

6.**酸素飽和度(SaO2またはSpO2)**:
血液中の酸素の飽和度を示す指標で、非侵襲的な方法(パルスオキシメトリー)で測定されることがあります。

**ABGの臨床的な用途**:

1.**呼吸器疾患の評価**:
ABGは、肺疾患(例:
慢性閉塞性肺疾患、急性呼吸窮迫症候群など)や肺炎などの呼吸器疾患の診断と治療をサポートするのに役立ちます。

2.**酸塩基バランスの評価**:
血液の酸塩基バランスが正常であるかどうかを評価し、代謝性アシドーシスやアルカローシス、呼吸性アシドーシスやアルカローシスなどの酸塩基障害を診断します。

3.**酸素供給と二酸化炭素排出の評価**:
PaO2およびPaCO2の値は、酸素供給と二酸化炭素排出の効率を評価するのに使用されます。
酸素療法の必要性を決定するのに役立ちます。

4.**救急医療**:
救急医療現場では、ABGは急性の呼吸不全や代謝性アシドーシスなどの緊急状況での患者の状態評価に重要です。

ABGは通常、専門の医療スタッフによって採取および解釈されます。
血液の採取は動脈から行われ、注意深い技術が必要です。
ABGの結果は、臨床的な診断と治療計画に役立ち、患者の呼吸および代謝状態を評価するのに重要な情報源です。

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